日拝には様々な要素があり、そのいずれかを複数含む儀式としていることが多い。

日拝1

日拝2

日拝3

  • 太陽そのものを神の現身とし崇拝する
  • 太陽から霊的エネルギーを頂く
  • 日拝を通年で行うことで、自然のリズムを体得する
  • 太陽のリズム(夜明け、正午、日没、真夜中)に季節と生命のサイクルを見いだす
  • 太陽の光とリズムに万物の流転を見いだし感謝する
  • 定期的な祈りで意思の強化を行う
  • 自己と太陽の合一を目指す
  • 太陽をアイコンとしてその背後にある宇宙のエネルギーとの合一を目指す

それぞれにその体系の意味あいが有り、優劣は無い。日拝を行う回数はその流派によって様々。大まかに分けるなら朝日没の二回、朝昼日没の三回、朝昼日没夜中の四回だ。

私は日拝を7年以上続けている。ただし、ほぼ毎日行っているのは朝だけだ。昼日没は、タイミングが合えば移動中の車の中で行うこともある。夜中は稀だ。その時間に起きていることが無いためである。

朝だけの情けない日拝ではあるが、それでも得る事は多々有る。自然のリズムの理解は進んだ。都市生活を行う現代人にとって、太陽が季節によって動きを変えることは知っていても、どの時間にどこからどう動くのかと言うことは体感出来ていないだろう。また、日拝によって意思の強化も進んだ気がする。

そして日拝は短い瞑想でもある。その際に様々なイメージや概念が意識をよぎり、徐々に太陽と宇宙についての大きな世界観が育ってきた。その際、ひまわり8号のWebサイト天文学ソフトウェアMitakaの画像が様々な役に立っている。

私が行っている日拝の形式はクロウリー(Aleister Crowley )が示した「Liber Resh」を元にしている。もちろん他にも形式もある。

最初は単に儀式を行うだけでも良い。しかしそれだけではモチベーションが続かない。儀式の祭文を視覚化する事を行おう。次に太陽のサイクルや季節について勉強したり、恒星について調べたりし儀式を行う際にのイメージを豊かにしよう。また大きな物だけで無く、小さな違いも大事だ。太陽の場所、太陽の光の圧力、雲の様子、風の流れ、気温、空気の匂い、聞こえてくる音。様々な情報を五感で取り入れる。

そうしていく中で自分の流派の学習が進めば、もっと大きな物を掴めるようになるはずだ。

ここではクロウリーの「Liber Resh」を簡単に紹介する。訳文は魔術亭で独自に翻訳した物である。

Liber Resh

1.夜明けに東を向き、自分の位階のサインを行う。そして大きな声で唱えなさい。

英文:Hail unto Thee who art Ra in Thy rising, even unto Thee who art Ra in Thy strength, who travellest over the Heavens in Thy bark at the Uprising of the Sun. Tahuti standeth in His splendour at the prow, and Ra-Hoor abideth at the helm. Hail unto Thee from the Abodes of Night!
訳文:昇り行くラーよ、汝に敬礼せん。そして敬礼せん、汝、ラーと共に在る力強さよ。太陽が昇り行くとき、帆船に乗りて天界を旅するものよ。タフティは輝きて舳先に立ち、ラ・ホールは舵を取る。汝に敬礼せん、夜の住処より!

次に沈黙のサインを為しなさい。その後それぞれの礼拝を行い瞑想を行っても良い。

2.正午に南を向き、自分の位階のサインを行う。そして大きな声で唱えなさい。

英文:Hail unto Thee who art Ahathoor in Thy triumphing, even unto Thee who art Ahathoor in Thy beauty, who travellest over the heavens in thy bark at the Mid-course of the Sun. Tahuti standeth in His splendour at the prow, and Ra-Hoor abideth at the helm. Hail unto Thee from the Abodes of Morning!
訳文:勝ち誇るアハトールよ、汝に敬礼せん。そして敬礼せん、汝、アハトールと共に在る美よ。太陽が中天にあるとき、帆船に乗りて天界を旅するものよ。タフティは輝きて舳先に立ち、ラ・ホールは舵を取る。汝に敬礼せん、朝の住処より!

次に沈黙のサインを為しなさい。その後それぞれの礼拝を行い瞑想を行っても良い。

3.日没時に西を向き、自分の位階のサインを行う。そして大きな声で唱えなさい。

英文:Hail unto Thee who art Tum in Thy setting, even unto Thee who art Tum in Thy joy, who travellest over the Heavens in Thy bark at the Down-going of the Sun. Tahuti standeth in His splendour at the prow, and Ra-Hoor abideth at the helm. Hail unto Thee from the Abodes of Day!
訳文:沈み行くトゥームよ、汝に敬礼せん。そして敬礼せん、汝、トゥームと共に在る喜びよ。太陽が沈み行くとき、帆船に乗りて天界を旅するものよ。タフティは輝きて舳先に立ち、ラ・ホールは舵を取る。汝に敬礼せん、昼の住処より!

次に沈黙のサインを為しなさい。その後それぞれの礼拝を行い瞑想を行っても良い。

4.夜中に北を向き、自分の位階のサインを行う。そして大きな声で唱えなさい。

英文:Hail unto thee who art Khephra in Thy hiding, even unto Thee who art Khephra in Thy silence, who travellest over the heavens in Thy bark at the Midnight Hour of the Sun. Tahuti standeth in His splendour at the prow, and Ra-Hoor abideth at the helm. Hail unto Thee from the Abodes of Evening.
訳文:隠れたるケフラよ、汝に敬礼せん。そして敬礼せん、汝、ケフラと共に在る沈黙よ。太陽が真夜中の時間に在るとき、帆船に乗りて天界を旅するものよ。タフティは輝きて舳先に立ち、ラ・ホールは舵を取る。汝に敬礼せん、夕暮れの住処より!

次に沈黙のサインを為しなさい。その後それぞれの礼拝を行い瞑想を行っても良い。

私は朝は庭に立って行うが、近所の目もあるので沈黙のうちに行っている。儀式も大事だがそれ以上に社会的な立場を大事にしよう。

以下に礼拝対象などを挙げる。

時間 方角 サイン エレメント 元素の性質 礼拝対象 太陽の象徴 季節
夜明け 2=9 大気 熱にして湿 ラー 登り行く生命の芽吹く
正午 4=7 熱にして乾 アハトール 生命の勢いの絶頂
日没 西 3=8 冷にして湿 トゥーム 実りを残し死に向かう
真夜中 1=10 まだら 冷にして乾 ケフラ 沈黙にして生に向かう